麻吉旅館本館・聚遠楼

 内宮と外宮を結ぶ参宮道から東に入った傾斜地に位置する。
 本館は坂道沿いに建つ寄棟造、桟瓦葺の木造3階建で、3階に主玄関を置き、2階に厨房と住居、1階と3階に客室を配する。地形に合わせた変形平面と階段状の階層構成に対応した複雑な屋根構成に特徴がある。
 本館に繁る聚遠楼は一辺7間半の正方形平面を持つ寄棟造桟瓦葺の建物で麻吉旅館の目印的存在。最上階の最も展望がきく北東隅には広間が配される。
 江戸時代には五大遊郭に数えられ、かつて全国から訪れた「おかげ参り」の精進落としの場として栄えた古市で、唯一当時の面影のまま残り、今も旅館として営業している。当時の名は「花月楼 麻吉」。何棟もの建物が連担して斜面に沿って建てられ独特の景観を生み出している。

所在地:伊勢市中之町109-3
構 造:木造3階一部2階建・瓦葺
年 代:江戸時代末期
※国の登録有形文化財(建造物)

〔出典:登録有形文化財トレーディングカード(一社 三重県建築士会)〕

おまけ

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