旧多気郡役所六角堂

 多気町役場の敷地内に建つ旧多気郡役所の施設で、平面は正方形の正面両隅を隅切した変則六角形を呈す。内部は一室で格天井とし、正面に切妻造玄関を張出し、懸魚を吊る。屋根頂部の飾り瓦は「紀念館」と刻む露盤に獅子を載せて記念性を表す、独特な形式の建物。
 旧多気郡役所の産業展示場として、大正天皇の即位を記念して建てられたと伝わる。昭和53(1978)年に現在の場所に移築され、郷土史料館の一部として使われ地域に親しまれている。玄関前に隣接して建つのは旧役場庁舎(元郡役所)の玄関部分で、同じく元郡役所解体に伴い当該部分のみ現地に移築されたものだが、登録には含まれていない。

所在地:多気郡多気町相可字枇杷ヶ谷1580番2
構 造:木造平屋建、瓦葺
年 代:大正4年頃(1915)/昭和53年(1978)移築
※国の登録有形文化財(建造物)

〔出典:登録有形文化財トレーディングカード(一社 三重県建築士会)〕

おまけ

コメント