境内の東辺に開く。1間1戸の薬医門で、角柱の本柱上に太い冠木を置き、男梁を載せ、屋根は切妻造本瓦葺とする。本柱からは腕木状に女梁を伸ばし、斗を置いて男梁を支える。妻飾は棟束に板蟇股様(いたかえるまたよう)の笈形(おいがた)を付ける。全体に装飾を控えて、簡素で格調の高い門である。
明治時代の廃仏毀釈で破却をまぬがれた江戸時代前期から中期にかけての建物の一つ。地方における臨済宗寺院の様式をよく伝える。棟札には「元禄十五龍集八月吉 大工山本氏長兵衛藤原利長」とある。中興二世・雪潭和尚語録によれば、方丈の前の松・杉を切り門の材にさせたとされている。
所在地:伊勢市勢田町410
構 造:木造、瓦葺
年 代:元禄12年(1699)/改修:平成18年(2006)
※国の登録有形文化財(建造物)
〔出典:登録有形文化財トレーディングカード(一社 三重県建築士会)〕
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