寺村家住宅前蔵

 主屋の南に棟を表通りに平行に配して建つ。2階建、漆喰塗の土蔵で、切妻造の主体部の前後及び主屋側北面に一段下げて下屋を付属する。通り側外壁腰部分のなまこ壁は「鼓繋ぎ」と呼ばれる独特のモチーフになり、妻入の主屋と並んで独特の景観を形成している。
 「鼓繋ぎ(つづみつなぎ)」と呼ばれる海鼠壁(なまこかべ)は、上野城下では他に芭蕉翁生家の土蔵などに見られるが、他地域ではまれである。壁の前に立てかけられた「犬矢来」も併せて、歴史的な景観をよく維持しており、上野城下の西之立町にあって、町並みを構成する要素として主屋と同様に重要な存在である。

所在地:伊賀市上野福居町3337-1
構 造:土蔵造2階建、瓦葺
年 代:江戸時代後期
※国の登録有形文化財(建造物)

〔出典:登録有形文化財トレーディングカード(一社 三重県建築士会)〕

おまけ

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