石薬師文庫閲覧所

 佐佐木信綱が還暦を自祝し、地元住民のために建てた石薬師文庫の閲覧所。L字形棟の切妻造スレート葺きで、入隅に下屋を設けて玄関としている。玄関奥を前室とし、その南に閲覧室を配している。クリーム色のモルタル外壁に大きく窓をもうけ、明るい内部空間を形づくっている。
 旧東海道側をはじめ、妻壁には佐佐木家の家紋である四ツ目紋をあしらう。床下換気口には、家型のデザインをモルタル洗出し仕上げで形作ってあり、細かい意匠的配慮が感じられる。小さな前庭を経て玄関へ至る外構や、こぢんまりとした洋風建物の雰囲気がとても良い。

所在地:鈴鹿市石薬師町字中町1707-3
構 造:木造平屋建、スレート葺
年 代:昭和7年(1932)
※国の登録有形文化財(建造物)

〔出典:登録有形文化財トレーディングカード(一社 三重県建築士会)〕

おまけ

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